洋画

洋画とは、西洋で描かれた絵画や、日本で描かれた西洋風の絵画のことです。特徴は、油絵具や水彩を使用するところ。風景や宗教を題材にしたものが多く、画面構成も余白を活かす日本画とは異なり、画面いっぱいに絵を描いています。見たものや想像したものをそのまま絵画に表現する傾向にあり、写実描写をよく用いるジャンルだと言えるでしょう。

西洋では、キリスト教の教えを伝えるとき、言葉が通じない人や文字を読めない人のために絵画を用いたのが洋画の始まりの一つとされています。ルネサンス期になるとレオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロの登場によって、遠近法や陰影法など洋画の基本となる技法が発達。その後、バロック・ロココ・新古典主義・ロマン主義・印象派など様々な画風が登場しました。20世紀以降もミニマルアートやポップアートが生まれており、現在も進化を続けています。

日本における洋画は、16世紀から現在に至るまで、大きく3つの時期に分割することが可能です。第1期はポルトガル人が種子島に漂着したころから始まり、江戸時代中期ごろまで続きます。キリスト教の布教に関する作品が中心でしたが、第2期になると洋画の道具や技法を用いながら、日本の風景・静物・風俗などが描かれるようになります。油彩や岩絵の具を使用した日本風の絵画は「蘭画」「紅毛画」とも呼ばれ、司馬江漢や小田野直武が活躍しました。第3期は明治以降を指し、西洋と日本が融合したオリジナリティあふれる作品が制作されています。