金継ぎ

金継ぎ(きんつぎ)とは、主に破損した陶磁器を、漆を使って修復する技法のことです。古くは「金繕い(きんつくろい)」と呼ばれることがありました。漆を使った修復の歴史は古く、一説によると紀元前2500年頃の縄文土器でも確認できると言われています。金継ぎの起源は明らかにはなっていませんが、15世紀に始まったとされています。

金継ぎの技術が確立された当初は、茶道具の修繕に用いられていました。当時の茶人たちは簡素さを重視しており、金継ぎはその美的価値観に合っていたようです。また、金や銀でつなぎ合わせることで、一度割れてしまった陶磁器の美しさを保つことも金継ぎの目的とされていました。安土桃山時代や江戸時代を経て金継ぎの技術は受け継がれ、近年では物を大切にする精神の象徴として、世界から注目を集めています。

金継ぎをするときは、初めに破損した箇所をきれいに整え、膠がよく染み込むよう準備します。破片同士を接着するときは膠や漆を使い、陶磁器の形を復元します。その後、膠を塗った箇所に金箔を貼り、十分に乾燥させてから表面が滑らかになるよう磨き上げます。最後に修復した箇所をもう一度研磨して、均一になるように仕上げます。

金継ぎは金箔を使う華やかなイメージをもたれがちですが、実際は銀や漆などを用い、接合箇所を目立ちにくくしているものも存在します。子九谷焼や古伊万里など、絵付けが特徴的な焼き物を修復するときは、金箔を用いない場合があるのです。野々村仁清が制作した『銹絵山水図水指』にも、目立たないように金継ぎを施しています。