ルパート・スミス「キリンビール」
この作品について
ルパート・スミスは、アンディ・ウォーホルの版画制作に長く携わったことで知られるアメリカの版画家・マスタープリンターです。高度なシルクスクリーン技術を持ち、ウォーホルの作品制作を技術面から支えた人物としても知られています。
「キリンビール」は、1989年に制作された「ジャパン・シリーズ」の一作です。日本を代表するビールブランドとして知られるキリンビールのラベルをモチーフに、中央の麒麟や「KIRIN BEER」の文字を大胆に画面へ配置しています。金色を基調に赤・黒・白を組み合わせた鮮やかな色彩は、商品パッケージや広告など日常的なイメージを美術作品へと転換したポップアートの魅力を強く感じさせます。
「ジャパン・シリーズ」は、ルパート・スミスとアンディ・ウォーホルとの関係を考えるうえでも興味深いシリーズで、ウォーホルと深い関わりを持ったスミスが、日本を象徴する企業や商品などのイメージをシルクスクリーンで表現しており、本作も日本人にとって非常になじみ深いモチーフでありながら、ポップアート作品として鑑賞できる点に大きな魅力があります。
ルパート・スミスの作品を査定する際には、技法や制作年、限定部数、直筆サイン、保存状態などに加えて、作品のシリーズや図柄も重要な評価ポイントとなります。本作は「キリンビール」という一目で分かる日本企業の象徴的なデザインを題材としており、美術品のコレクターだけでなく、企業広告やヴィンテージデザイン、ポップアートを好む方にも訴求力のある作品です。
1989年制作・限定100部という比較的少ないエディションも評価材料となります。作品のサインやエディション、発色、紙の保存状態などを総合的に確認し、現在の市場相場を踏まえた査定額をご提示のうえ、ご売却いただきました。

