大場松魚「平文梅平棗」を買取させていただきました。
加賀蒔絵の巨匠 大場松魚(1901–1988) による、漆芸の高度な技と現代的デザイン感覚が融合した名品です。
黒漆の深い艶を背景に、金平文で梅の花と花びらを散らした意匠が特徴的です。
蓋の上部には大きな一輪を象徴的に置き、側面には点在する小梅をリズミカルに配置しています。
大場松魚は、蒔絵の伝統技法を踏まえつつ、大胆な構図と軽やかな線描を用いて“現代蒔絵”の可能性を切り拓いた作家です。
本作でも、古典的な梅文を洗練されたモダンデザインに再構成し、格調と遊び心を兼ね備えた名作となっています。
精一杯の査定額にてご売却いただきました。

