先日、長野県へ草間彌生先生の作品を出張買取してきました。
とんぼ返りももったいないので、帰る道すがら、前から行ってみたかった山梨県小淵沢にある「中村キース・ヘリング美術館」に立ち寄ってきました。
美術館の存在は知っていましたが、なかなか素晴らしい体験でした。
〈美術館外観〉
とてもモダンです。長野出身の北川原温氏の設計とのこと。
中村キースヘリング美術館は、医療業界大手シミックの代表取締役である中村和男氏が創設した美術館で、1987年からキースヘリングのコレクションを始めたそうです。現在約200点をコレクションされており、同美術館は2007年に開業。
2015年には、ホテルキーフォレスト北杜の開業に併せ、美術館を増築しリニューアルオープンしています。
今回の企画は、キースヘリング生誕60年「キースヘリング:社会に生き続けるアート」です。
圧巻のコレクションで、一部を除いて撮影も可能ということで、かなり撮影してしまいました。
「無題(ピープル)」1985年 アクリル・油彩・モスリン布
「無題(踊る2人のフィギュア)」1989年 アルミニウムにペイント
「無題(デイグロー・ペインティング)」1983年 デイグロー/キャンバス
床と壁一面にプリントされたモノクロの独特の模様によって、作品がより活きています。
そして側面には、シルクスクリーン「無題(繁殖の図)」5点が展示。個人的にはこれがすごく好きでした。
こんなものまでありました。
「無題」オートバイにマーカー(ヤマハモデル#XT250K)
ずっと見ていたら、学芸員さんが近づいてきてこのバイクについて色々と教えてくれました。
場所を移して、自由の展示室へ。
こちらには「ザ・ブループリント・ドローイングス」と呼ばれる17点のシルクスクリーンが展示。
ブループリントドローイングスは1990年12月から数週間をかけて制作されたもので、元々ブループリント(青写真法)をする企画があり、皮紙に墨で描かれた作品。
オリジナルのドローイングは全て売れたため、現在は所在が不明ですが、手放す前にドローイングを撮影していたことにより、この版画が制作できた、とのことです。貴重ですね。
そしてキースヘリングを有名にしたきっかけとなった「サブウェイ・ドローイング」も3点ありました。約5年続けられた地下鉄構内の広告版にペイントする活動の一部です。
「無題(サブウェイ・ドローイング)」1981年~1983年 白墨・紙・板
そこまで期待していなかったからか、実に見ごたえがありました。
余韻を引きずったまま、「ポップショップ」でグッズを衝動買いしました。
31年という短い生涯を駆け抜けたキースヘリングの生き様と世界観を、ここ日本で感じ取れることができる世界でも数少ない貴重な施設だと思います。
日々、色々な絵画や美術品に触れていますが、たまには仕事の視点から離れて素晴らしい作品を見ることはとても重要だと再認識できました。
山梨へお出かけの際には、是非中村キースヘリング美術館へお立ちよりすることをお勧めします!
弊社ではキース・ヘリングの作品の買取、査定に力を入れておりますので、お気軽にお問い合わせください。