オプ・アート

オプ・アートとは、色の濃淡の変化や流動など、鑑賞者に視覚的な効果を与えるよう計算しながら制作された作品のことです。正式には「オプティカル・アート」という名称ですが、「ポップアート」と語感が揃うためオプ・アートと呼ばれています。1964年刊行の『タイム』誌で初めて「オプ・アート」という言葉が使われました。

オプ・アートの源流は、ドイツ出身の美術家であるジョセフ・アルバースとされています。彼は色彩の明度の対比や相互干渉効果を調査しながら、「正方形へのオマージュ」シリーズを制作しました。ほかにもハンガリー系フランス人のヴィクトル・ヴァザルリや、1960年代前半に個展を開いたブリジット・ライリーが、早い時期からオプ・アートを制作していました。

オプ・アートが世間から注目されるようになったのは、1965年にニューヨーク近代美術館で開催された展覧会です。さらに1968年にはブリジット・ライリーがヴェネツィア・ビエンナーレで絵画部門国際賞を獲得し、より注目を集めるようになりました。その後は美術作品だけでなく、ファッションやインテリアといった商業美術でも、オプ・アートは大きなブームを巻き起こしました。

オプ・アートの特徴は、鑑賞者の「目」があって初めて完成するアートであることです。オプ・アートは作品そのものが動いているわけではなく、作品を見ている人間の脳と目を錯覚させることで動いているように見えるため、見る人が欠かせない芸術と言えます。現在ではデジタルアートや、没入型アートにも応用されており、新しい芸術の動向の原点のひとつになっています。