遺品整理やご実家の片付けをしていると、作者や作品名の分からない絵画、古い掛軸、陶磁器、置物などが見つかることがあります。
ご家族が美術品に詳しくなければ、「価値があるものなのか分からない」「このまま処分してしまって大丈夫だろうか」と迷われるのは当然です。
しかし、詳細が分からないからといって、価値がないとは限りません。
作品に書かれたサインや落款、裏面のシール、箱書き、購入時の資料などから作者や来歴が分かることもあります。また、美術品とは思っていなかった贈答品や食器、古い置物などに値段が付いたり、まれに金杯・銀杯など素材そのものに価値がある品物が紛れていたりするケースもあります。
特に遺品整理では、一度処分してしまったものを取り戻すことはできません。
そこでこの記事では、遺品の中から詳細の分からない絵画や美術品が見つかったとき、処分や売却の前に確認しておきたい7つのポイントを、美術品買取の現場で実際に多くのご相談を受けてきた立場からご紹介します。
目次
1. 価値が分からなくても、まず処分しない
遺品整理で最初に気をつけていただきたいのが、ご家族だけで「価値があるもの」「価値がないもの」を判断して処分してしまわないことです。
美術品の価値は、見た目の古さや豪華さだけでは判断できません。一見すると何の変哲もない絵画でも、作者や制作年代、技法、作品の来歴などによって評価されることがあります。反対に、立派な額に入っているからといって、必ずしも高額な作品とは限りません。
陶磁器や工芸品についても同様です。ご家族からすると「古い食器」「昔もらった贈答品」「何に使うのか分からない置物」にしか見えなくても、作家物や有名メーカーの製品、現在も需要のあるシリーズなどであれば買取対象になることがあります。
また、遺品整理の現場では、ごくまれに金杯や銀杯などが他の食器や贈答品と一緒に保管されていることもあります。
「分からないもの」は捨てずに残しておく
遺品整理を始める段階では、無理に価値を判断する必要はありません。特に次のようなものは、処分する前に一度確認しておくことをおすすめします。
・作者の分からない絵画・掛軸
・箱に入った陶磁器
・古い置物や工芸品
・贈答品や食器
・金属製の杯や器
・購入時の箱や書類が残っているもの
・箱に入った陶磁器
・古い置物や工芸品
・贈答品や食器
・金属製の杯や器
・購入時の箱や書類が残っているもの
専門家が確認して価値がなければ、その後に処分することはできます。しかし、先に処分してしまったものを、あとから査定することはできません。
遺品の整理を急いでいる場合ほど、「分からないものは一旦残す」という考え方が大切です。
2. 作者名・作品名が分からなくても査定できる
遺品として残された絵画や美術品では、作者名や作品名が分からないケースは珍しくありません。購入したご本人が亡くなっている場合、「どこで買ったのか」「誰の作品なのか」「いつ頃購入したのか」といった情報がご家族に残っていないことも多くあります。
しかし、作者名や作品名が分からないからといって、査定できないわけではありません。 美術品の査定では、作品そのものに残されているさまざまな手掛かりを確認しながら、作者や作品の背景を調べていきます。
絵画であれば、画面上のサインや落款、技法、画風、使用されている画材などが手掛かりになります。さらに、作品の裏側に作者名や作品名、制作年が書かれていたり、画廊や百貨店、展覧会などのシールが残っていたりすることもあります。
掛軸や陶磁器、工芸品の場合も、落款や銘、箱書き、共箱、付属資料などから作家や制作背景を確認できることがあります。ご家族から見れば「何も分からない品物」でも、専門家にとっては複数の手掛かりが残っている場合があります。
査定の手掛かりになるもの
・作品に書かれたサインや落款
・作品の裏面にある文字や書き込み
・画廊、百貨店、展覧会などのシール
・額の裏側に貼られたラベル
・共箱や箱書き
・鑑定書や証明書
・購入時の領収書や資料
・一緒に保管されていた図録や手紙
・作品の裏面にある文字や書き込み
・画廊、百貨店、展覧会などのシール
・額の裏側に貼られたラベル
・共箱や箱書き
・鑑定書や証明書
・購入時の領収書や資料
・一緒に保管されていた図録や手紙
そのため、査定を依頼する際は作品の正面だけでなく、裏面や箱、付属資料なども一緒に確認できる状態にしておくことが大切です。
BKKCでは、作者名や作品名が分からない状態からのご相談にも対応しています。「詳しいことが何も分からないから査定を頼みにくい」と考える必要はありません。分かる範囲の情報と作品の状態から、確認できる手掛かりを一つずつ見ていきます。
3. サイン・落款だけでなく作品の裏側も確認する
絵画や美術品を確認するとき、多くの方がまず表面のサインや落款を探します。もちろん重要な手掛かりですが、実際には作品の裏側に重要な情報が残っていることも少なくありません。
絵画の裏面には、作者本人による署名や作品名、制作年、展覧会出品歴などが記されている場合があります。また、額の裏側には画廊や百貨店、美術商、展覧会のシールが貼られていることがあり、作品の来歴を確認する手掛かりになることがあります。
日本画では共シールや鑑定シール、洋画では画廊シールや展覧会ラベル、海外作品ではギャラリーラベルや輸送ラベルなどが残っていることもあります。こうした情報は、作者や作品を調べる際に非常に役立ちます。
一見すると単なる古いシールや書き込みに見えても、査定では大切な情報になることがあります。そのため、剥がしたり、消したり、額の裏側を整理したりせず、そのままの状態で残しておくことをおすすめします。
裏側で確認したいポイント
・作者名や署名
・作品名や制作年
・画廊や百貨店のシール
・展覧会や美術館のラベル
・共シール、鑑定シール
・過去の所有者や購入先に関する記載
・輸送ラベルや整理番号
・額縁店や額装に関するラベル
・作品名や制作年
・画廊や百貨店のシール
・展覧会や美術館のラベル
・共シール、鑑定シール
・過去の所有者や購入先に関する記載
・輸送ラベルや整理番号
・額縁店や額装に関するラベル
額の裏側に貼られた古いシールやラベルは、見た目が汚れていても剥がさないでください。作品の来歴や真贋を考えるうえで重要な手掛かりになる場合があります。
写真で査定を依頼する場合も、作品正面だけでなく、額を含めた裏面全体やシール部分を撮影しておくと、より詳しく確認しやすくなります。
4. 箱・鑑定書・購入時の資料は捨てない
遺品整理では、作品そのものは残していても、箱や古い書類を「もう必要ないもの」と考えて先に処分してしまうことがあります。しかし、美術品では作品と一緒に保管されていた箱や資料が重要な意味を持つことがあります。
陶磁器や工芸品では、作者自身が箱書きをした共箱が作品の重要な付属品になる場合があります。掛軸や日本画でも、箱書きや鑑定に関する資料が作者や作品を確認する手掛かりになることがあります。
また、鑑定書、証明書、購入時の領収書、画廊や百貨店が発行した書類、展覧会の出品票などが残っていれば、作品の来歴や購入経路を確認できることがあります。特に高額作品では、こうした資料の有無が査定や売却の際に重要になるケースもあります。
一方で、古い書類だからといって必ず価値があるわけではありません。大切なのは、ご家族だけで必要・不要を判断せず、作品と関係がありそうなものは一緒に残しておくことです。
作品と一緒に保管しておきたいもの
・共箱や箱書きのある箱
・鑑定書、証明書
・購入時の領収書や納品書
・画廊、百貨店、美術商からの書類
・展覧会の出品票や案内状
・作品が掲載されている図録や書籍
・作家や画廊からの手紙、はがき
・作品名や購入時期が分かるメモ
・鑑定書、証明書
・購入時の領収書や納品書
・画廊、百貨店、美術商からの書類
・展覧会の出品票や案内状
・作品が掲載されている図録や書籍
・作家や画廊からの手紙、はがき
・作品名や購入時期が分かるメモ
箱が汚れていたり、古い書類が傷んでいたりしても、すぐに処分しないでください。作品と一緒に査定してもらってから整理する方が安全です。
特に、作品と同じ場所に保管されていた資料は、一見関係がなさそうでも手掛かりになることがあります。遺品を整理するときは、作品・箱・書類をできるだけ一つのまとまりとして残しておくと確認がしやすくなります。
5. 査定前のお手入れはどこまでしていい?
「査定に出す前に、きれいにしておいた方がいいですか?」というご質問をいただくことがあります。
よく「美術品は何も触らない方がよい」と言われますが、実際には絵画と骨董品・茶道具では少し考え方が異なります。
よく「美術品は何も触らない方がよい」と言われますが、実際には絵画と骨董品・茶道具では少し考え方が異なります。
絵画の場合、作品そのものに手を加える必要はありませんが、額に積もったほこりを軽く払ったり、表面を保護しているアクリルやガラスを無理のない範囲で拭いたりしておくことは問題ありません。
私たちが実際にお宅へ査定に伺った際も、長年ほこりをかぶったままの作品より、きれいに保管されている作品の方が大切に扱われてきたことが伝わります。もちろん、掃除をしただけで作品そのものの市場価値が上がるわけではありませんが、作品を丁寧に扱ってきたことが分かる状態は、査定する側にとっても良い印象につながります。
一方、骨董品や茶道具、陶磁器などは注意が必要です。品物そのものを布で強く拭いたり、水洗いしたりすると、傷や欠けの原因になることがあります。また、古い汚れや変色も品物を判断するための情報になる場合があるため、無理にきれいにしない方が安全です。
査定前のお手入れの目安
絵画
・額のほこりを軽く払う → OK
・額のアクリルやガラスを軽く拭く → OK
・絵の表面を直接拭く → 避ける
・額から作品を無理に取り外す → 避ける
・額のほこりを軽く払う → OK
・額のアクリルやガラスを軽く拭く → OK
・絵の表面を直接拭く → 避ける
・額から作品を無理に取り外す → 避ける
骨董品・茶道具・陶磁器
・表面を強く拭く → 避ける
・水や洗剤で洗う → 避ける
・金属磨きなどで磨く → 避ける
・無理に汚れを落とす → 避ける
判断に迷う場合は、無理にお手入れをする必要はありません。特に作品そのものに触れる作業や、骨董品・茶道具を洗ったり磨いたりすることは、査定前には避けるのが安全です。
「査定前だから何もしない」でも問題ありませんが、絵画であれば額まわりを軽く整えておく程度で十分です。大切なのは、作品そのものを傷めない範囲にとどめることです。
6. 絵画以外の「価値がなさそうなもの」も確認する
遺品整理で見落とされやすいのが、ご家族が「美術品ではない」と思っているものです。絵画や掛軸、いかにも古そうな骨董品には目が向いても、食器や贈答品、置物などは価値がないものとして処分されてしまうことがあります。
しかし実際の査定では、こうした品物の中から買取できるものが見つかることがあります。例えば、箱に入ったまま使われていない食器が有名ブランドの製品だったり、何気なく飾られていた置物が作家物だったりするケースです。
また、「昔いただいた記念品」「何かのお祝いでもらった杯」といった品物も、見た目だけで判断しない方がよいでしょう。金杯・銀杯などの場合、工芸品としての評価とは別に、金や銀といった素材そのものに価値があることもあります。
ご家族にとっては価値が分からないものでも、査定する側から見ると確認すべきポイントがあることがあります。「これは関係ないだろう」と最初から分けてしまわず、気になるものはまとめて見てもらう方が安心です。
遺品整理で見落とされやすいもの
・箱に入った食器や贈答品
・古い茶碗、急須、茶道具
・花瓶や壺、置物
・銀瓶、鉄瓶などの金属工芸品
・金杯、銀杯、記念杯
・古い人形や彫刻
・箱に作者名や銘が書かれているもの
・何に使うものか分からない古い道具
・古い茶碗、急須、茶道具
・花瓶や壺、置物
・銀瓶、鉄瓶などの金属工芸品
・金杯、銀杯、記念杯
・古い人形や彫刻
・箱に作者名や銘が書かれているもの
・何に使うものか分からない古い道具
特に、長年暮らしてきたご実家を整理する場合は、押し入れや納戸、食器棚などから多くの品物が出てきます。その中には、故人が購入したものだけでなく、いただき物や先代から受け継いだものが混在していることもあります。
「箱が古い」「使い道が分からない」「自分の趣味ではない」という理由だけで価値がないとは判断できません。捨てるか迷うものは、処分する前に一度まとめて確認してもらうのがおすすめです。
専門家が確認した結果、価値がないと分かってから処分しても遅くはありません。遺品整理では、価値のあるものを探し出すこと以上に、価値があるかもしれないものを先に捨ててしまわないことが大切です。
7. 家財をまとめて処分する前に、美術品の専門査定を受ける
ご実家の売却や遺品整理では、限られた期間の中で大量の家財を片付けなければならないことがあります。そのため、遺品整理業者や片付け業者に依頼して、家の中のものをまとめて整理・処分するケースも多いでしょう。
こうした業者は大量の家財を効率よく整理するプロですが、美術品や骨董品の価値を専門的に判断することとは、また別の分野です。 絵画や掛軸、陶磁器、工芸品などが含まれている場合は、家財をまとめて処分する前に、美術品を専門に扱う業者へ一度見てもらうことをおすすめします。
実際に出張査定へ伺うと、「すでにかなりの物を処分してしまった」「先に別の業者へ売ってしまった」というお話を聞くことがあります。その中に価値のあるものが含まれていたかどうかは、処分した後では確認することができません。
だからこそ重要なのは、すべてを一社に任せることではなく、それぞれの専門分野に合った順番で依頼することです。
遺品整理は「査定してから処分」の順番がおすすめ
1. 家の中にある絵画・美術品・骨董品などを確認する
↓
2. 価値が分からないものも含めて専門業者に査定してもらう
↓
3. 売却するもの、残しておくものを決める
↓
4. 最後に残った家財を整理・処分する
↓
2. 価値が分からないものも含めて専門業者に査定してもらう
↓
3. 売却するもの、残しておくものを決める
↓
4. 最後に残った家財を整理・処分する
この順番であれば、価値のあるものを誤って処分してしまうリスクを減らせます。また、美術品の売却代金を、その後の遺品整理や家財処分の費用に充てられる場合もあります。
実際にお客様からいただいた声
ご実家の売却に伴う整理で複数の買取業者へ相談されたお客様から、「何社かに問い合わせた中で、美術品をきちんと見られる専門家だと感じた」「先に売却してしまった品物も、最初からこちらに見てもらえばよかった」という趣旨のご感想をいただいたことがあります。
※Googleに投稿された当店への口コミ内容を要約してご紹介しています。
遺品整理では、ご家族自身が「これは高そう」「これは価値がなさそう」と判断する必要はありません。何を残すべきか分からない段階で専門家に見てもらうことに意味があります。
BKKCでは、絵画だけでなく、掛軸、陶磁器、茶道具、工芸品、彫刻など幅広い美術品の査定に対応しています。家財を整理してしまう前に、気になるものを一度まとめてご相談ください。
相続した美術品を売却するときの税金について
相続した絵画・美術品を売却する場合、売却価格や取得費、所有期間などによって税金が発生することがあります。
絵画・美術品を売却したときの税金と税金シミュレーター
で、基本的な計算方法や相続した作品の取扱いをご確認いただけます。
絵画・美術品を売却したときの税金と税金シミュレーター
で、基本的な計算方法や相続した作品の取扱いをご確認いただけます。
まとめ|遺品の美術品は「分からないまま処分しない」ことが大切
遺品整理で見つかった絵画や美術品は、作者名や作品名、購入した場所などが分からないことも珍しくありません。しかし、詳しいことが分からない=価値がない、ということではありません。
サインや落款、作品の裏側、箱書き、画廊のシール、購入時の資料などから作者や来歴が分かることもあります。また、絵画や掛軸だけでなく、陶磁器、茶道具、工芸品、贈答品など、思いがけないものが査定対象になる場合もあります。
遺品整理で最も避けたいのは、価値が分からないまま先に処分してしまうことです。専門家が確認した結果、価値がないと分かってから処分することはできますが、処分してしまったものを後から査定することはできません。
ご実家の売却や家財整理などで時間が限られている場合でも、まずは「分からないものを残す → 専門家に確認してもらう → その後に整理する」という順番をおすすめします。
遺品の美術品を整理するときの7つのポイント
1. 価値が分からなくても、まず処分しない
2. 作者名・作品名が分からなくても査定できる
3. サイン・落款だけでなく作品の裏側も確認する
4. 箱・鑑定書・購入時の資料は捨てない
5. 査定前のお手入れは品物によって方法を変える
6. 絵画以外の「価値がなさそうなもの」も確認する
7. 家財をまとめて処分する前に、美術品の専門査定を受ける
2. 作者名・作品名が分からなくても査定できる
3. サイン・落款だけでなく作品の裏側も確認する
4. 箱・鑑定書・購入時の資料は捨てない
5. 査定前のお手入れは品物によって方法を変える
6. 絵画以外の「価値がなさそうなもの」も確認する
7. 家財をまとめて処分する前に、美術品の専門査定を受ける
遺品の絵画・美術品でお困りの場合はご相談ください
美術品・絵画買取センター(BKKC)では、作者名や作品名が分からない絵画をはじめ、掛軸、陶磁器、茶道具、工芸品、彫刻など、さまざまな美術品の査定を行っています。
「父が集めていたものなので詳しいことが分からない」「実家を整理していたら大量の絵が出てきた」「美術品なのか、単なる贈答品なのか判断できない」といった段階でも問題ありません。
BKKCは美術品買取を専門に長年査定を行っており、リユース営業士も在籍しています。 売却するかどうか決まっていない段階でも、まずは作品や品物についてご相談いただけます。
遺品整理やご実家の片付けでは、すべてをきれいに分類してからご相談いただく必要はありません。「何を見てもらえばいいのか分からない」という状態でも、気になるものを残しておいてください。
こんな場合もご相談いただけます
・作者名や作品名が分からない
・価値があるものか判断できない
・絵画や骨董品が複数ある
・実家の売却に伴い美術品を整理したい
・故人が集めていた品物について何も聞いていない
・処分してよいものと残すべきものを判断できない
・価値があるものか判断できない
・絵画や骨董品が複数ある
・実家の売却に伴い美術品を整理したい
・故人が集めていた品物について何も聞いていない
・処分してよいものと残すべきものを判断できない
