セビリア焼きとは、スペインのセビリアという街で生産されている陶器のことです。セビリアの近くにはグアダルキビル川が流れており、陶器に使う粘土が採れていたため、古くから陶芸職人の街として栄えていました。8世紀にイスラム勢力がアンダルシア地方を征服すると、イスラム文化が取り入れられ、独自の進化を遂げます。
特徴的なのは「クエルダ・セカ」という技法で、輪郭の縁が少し下がり、ぷっくりとした立体感があります。13~15世紀にかけてセビリアを含む地域はキリスト教徒の支配圏に入り、イスラム文化とキリスト教文化が融合した「ムデハル様式」が誕生します。当時は王宮の壁面を飾るタイルの生産が、主に行われていました。
15~16世紀頃は大航海時代の黄金期に突入し、セビリアは貿易の拠点として繁栄を極めます。しかし17世紀以降は貿易の拠点がセビリアから他の街に移り、陶器産業も衰退しました。
その後、19世紀になってイギリス人実業家が近代的な陶器工場を設立したことで、セビリア焼きは復活します。1929年にはセビリアでイベロ・アメリカ博覧会が開催され、セビリア焼きのタイルで街中を装飾したことで、再び注目されるようになりました。
セビリア焼きの特徴としては、ぷっくりとした立体感のほかに、華やかな装飾を施している点が挙げられます。エナメルや金彩を贅沢に使用した製品が多く、光が当たるとキラキラと輝くのが魅力です。現在はお皿をはじめとした日用品が、お土産としても人気を集めています。
