ピカソ「笑顔(Visage aux yeux rieurs)」
この作品について
ファイアンス・彩色・部分施釉
350部
1969年
A.R.608
「笑顔(Visage aux yeux rieurs)」は、ピカソが南フランスのマドゥーラ工房で手掛けた陶器作品のひとつです。丸みを帯びた水差しの形そのものを生かしながら、大胆な筆致によって顔を表現しており、器という立体物と絵画表現を融合させたピカソらしい作品です。
白地の器面には、鮮やかな青や緑、オレンジ、黒などの色彩が大胆に配され、正面には大きな目や鼻、口を思わせる形が描かれています。見る方向によって絵柄の印象が変化し、平面作品とは異なる陶器ならではの造形的な面白さを楽しむことができます。
ピカソは1940年代後半から南フランスのヴァロリスにあるマドゥーラ工房で本格的に陶芸制作に取り組み、皿や壺、水差しなどさまざまな器形を用いて数多くの作品を生み出しました。人物や動物などを器の形態と結び付けた独創的な表現は、現在ではピカソの重要な制作分野のひとつとして世界的に評価されています。
本作は1969年制作、限定350部のファイアンス製水差しで、アラン・ラミエによるピカソ陶器作品のカタログ・レゾネにA.R.608として収録されています。こうしたレゾネへの掲載やマドゥーラ工房による正規のエディション作品であることは、ピカソの陶器作品を評価するうえで重要なポイントとなります。
ピカソの陶器作品は近年贋作も多く流通しているため、慎重な判断のうえ、精一杯の査定額にてご売却いただきました。

