「お手持ちの絵画の買取相場が知りたい方へ」

2022.6.25

「手持ちの絵画を売りたいけれど、まずはどれくらいで売れるのか相場が知りたい」という方も多いのではないでしょうか。しかし絵画の相場情報をインターネットなどで調べてみても、車やブランド品などの買取品と違って、なかなか明確な情報が出てこないのではないでしょうか。

実は絵画は、一般の人が「買取相場」を知るのが非常に難しいジャンル。多くの買取サイトを見ても、買取価格や相場の情報が明記されていないことが多いのはそれが理由です。

┃絵画の買取相場はわかりづらい?

絵画の買取相場は、前述のとおり情報が見つかりにくい一方、ブランド品やジュエリー、車などは買取相場の情報が比較的簡単に見つけられます。それはなぜでしょうか?結論から言えば、「発売時期」「売り手」「定価」、この3つに違いがあるためです。

ブランド品やジュエリー、車などは、「発売時」に「売り手=メーカーやブランド」から「定価」が決められているため、その「定価」を軸に、経年やトレンドを鑑みたうえで大体の買取相場を出すことが可能です。

しかし絵画の場合は、「いつ」「誰によって」「どんな形で」「売りに出された(販売された)」ものであるか、ということが作品・作家によって異なり(あるいは不明なケースもあり)、買取相場の軸となるものが把握しづらいという特徴があります。

また、需要によって価値が大幅に変動するのも絵画の大きな特徴です。 その絵を欲しいという人がたくさんいるか、または、高い金額を支払ってでも購入したいという人がいるかで絵画の価格が決まるため、取引価格は「時価」のようなものになるというわけです。

ある人にとって100万円の価値の絵画でも、別のある人が500万円で入札すれば、その絵画は500万円に。例え高額で購入した絵画でも、査定に出した時に需要がなければ、査定額は低くなってしまいます。

過去の作品買取金額をホームページに掲載している業者さんもいらっしゃいますが、必ずしもその金額で買い取ってもらえるというわけではありません。

時期やトレンドなどによって、その金額が大きく変わる場合もあります。そのため買取実績の金額は、参考程度と考えておくと良いでしょう。いくらで売却が成立するかは、実際に査定をしてみないとわかりません。

┃絵画の価格を決定する基準とは?

 

絵画の買取相場が見えにくいのは、その絵画の需要によって、価格がつけられないものから、中には億を超える価格がつくものまで、買取金額に差が出てしまうためです。買取業者は以下の基準を考慮して、その絵画にどれくらいの価値があるのかを査定します。


①作家(作者)

絵画は誰の作品かによって買取価格が大幅に変わります。ピカソ、ゴッホ、シャガールなど、芸術に詳しい人でなくても名前や作品を知っているような有名画家の作品なら、作品の種類にもよりますが、数十万~数億円、もしくはそれ以上という高値での買取が期待できます。

それに対して無名の画家の作品は、一概には言えませんが、基本的には評価つかず(0円)~良くても数万円の買取価格となります。

有名画家の作品はコレクターも多く、セカンドマーケットと呼ばれるオークションなどで、高値で売却することができますが、無名画家の場合はそれが期待できないため、買取額も低くなります。

また、同じ作家の作品でも、描かれているモチーフや技法によって人気に開きがあり、10倍以上の価格差が出ることもよくあります。


②描かれた年代

絵画は、描かれた年代によっても価格に差がでます。 その作家の円熟期に描かれた作品は、代表的なモチーフのものが多く、その年代の作品は特に評価が高くつくことが多く見られます。 逆に有名作家でも、有名になる前の初期の作品や最晩年の作品などでは評価が劣る傾向があります。

希少性はあっても必ずしも価格と直結するわけではない、というのはこういう理由です。


③絵画のジャンル

絵画には、日本画洋画現代アート具体絵画インテリアアート中国絵画など、様々なジャンルがあります。

掛け軸などの日本画は、生活様式の変化により年々需要が減っており、それが相場にも反映されています。 現在、海外のオークションなどでも活発に取引されているのは、現代アートや中国絵画などのジャンルで、日本だけでなく世界的に需要のあるものが今後も期待できる分野と言えるでしょう。


③市場に出回っている数

絵画には、原画と版画を含む複製画があります。 原画は、その作家の肉筆であり基本的には世界に1つしか存在しません。

そのため、ある程度評価のある作家は、多くの人に作品を楽しんでもらえるよう、リトグラフやシルクスクリーンといった版画作品を制作することも少なくありません。

どれほどの枚数が刷られるのかは、その版画の技法やその作家の考え方によっても違いますが、人気のあるモチーフであること、また制作枚数が少なければ少ないほど希少価値が高く、買取金額も高くなる傾向があります。

有名作家の非常に人気のある版画作品の場合、時にはその作家が描いたスケッチ原画や素描などよりも版画のほうが値段が高いこともよくあります。


④売却時期のトレンド

絵画の買取相場には、トレンドがあります。例えば、これまでほとんど値段がつかなかった作家が、あるときに海外のオークションで高値で落札されたりすると、それが波及して一気に相場が上がることもあります。

代表的な例として、現代アートの代表作家である草間彌生は、20年前から今の価格を比べると100倍以上になっている作品もあります。 今後の相場がどうなるかは読めないところではありますが、いつ売るかによっても評価額は全く異なってきますので、売り時を読むのは非常に難しいと言えます。


⑤世界の経済状況

絵画の相場と密接していると言っても過言ではないのが、世界経済の状況です。

アートは生活必需品とは異なるため、世界経済が不況になり付加価値が見込めなくなると、今まで当たり前のように売れていた有名作家の作品が売れなくなり、それが絵画相場全般に波及し、オークションなどでも値段が下がるということがよくあります。

具体的に言いますと2008年リーマンショックを機に、2007年からたった一年で、アートの世界売り上げが約3兆円も下がった計算になります。

2009年からは持ち直し、2018年度には約7兆5,000億円まで伸びていますが、2020年に始まった世界全体のコロナウィルス騒動で、中国をはじめ、米国、欧州など世界経済に大きなダメージを与えたことにより、アートマーケットは一時的に冷え込みが見られましたが、2022年までは強い回復力を示したものの、2023年は不安定な世界情勢や金利の上昇も相まって、マーケットは微減しました。


⑥その他

その他、絵画のサイズ、状態、著名作家の場合は鑑定証などの付属品の有無によっても、査定額に差が出ます。

また、日焼けやシミ、傷などの劣化があるとその分価格は下がってしまうため、保管方法には細心の注意を払って、良い状態を保つように心がけましょう。

特にご家族の持ち物など、ご自身で購入されていない場合は、押し入れや倉庫にしまいっぱなしというケースもよく見られますが、そのような場合、劣化は早く進んでしまうため、売却を考えているのであればなるべく早い段階で状態の確認をしたうえで査定依頼をするのがおすすめです。

【まずは一度査定依頼を】

このように、絵画の買取額は、様々な基準を考慮して決定されています。 そのため一般の方が、車やブランド品・宝飾品などと同じように、大体いくらくらいで買い取ってもらえるという相場を知ることが難しいというのが現状なのです。

絵画の相場を知るためには、実際に買取業者に査定を依頼するのが最も確実な方法といえるでしょう。 お手持ちの絵画がいくらくらいで売れるのか、気になる方は一度、美術品・絵画買取センターにお問い合わせください。


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