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現代アート一覧

《現代アート 取り扱い作家一覧》

現代アートの楽しみ方

現代アートは抽象的でわかりにくい、というイメージを持つ方も多いでしょう。以下で楽しみ方のコツをご紹介します。

たくさんの作品を見る

現代アートは、作家や作品によってまったく異なる傾向を持ち、受ける印象やテーマも作品によって全く違います。彫刻、絵画、写真、建築などさまざまな表現方法がありますし、1つ1つに強烈な個性があります。

少数の作品を見ただけで「よくわかった」「これが好き」などと感じられるケースはあまりありません。たくさんの作品を見ているうちに何となく雰囲気を感じ取り見方がわかったり「これが好き」を思えるものを見つけられたりするものです。

まずはたくさんの現代アート作品を鑑賞して目を肥やすところから始めましょう。

好きな作品を見つける

まずは1つ「好きな作品」を見つけましょう。「この作品が好き」「なぜか惹き込まれる」「気になる」と感じるものが見つかったら、そこから関心が広がっていく方が多数です。いろいろな現代アート作品を見て、好きなもの、気に入ったものを発見しましょう。

作品の背景を知る

どのようなアート作品にもいえることですが、作品の背景を知ると深い理解につながります。作者はどういった人でどのような状況下において創作されたものなのか、どういった思いで作品が作られたのか、何を批評しているのか、何を表現しているものなのか。そういった作者や作品の背景を詳しく知ることで、同じ現代アート作品の見え方がまったく異なってきます。これまで「意味が分からない」と思っていたものが、心にずっしりと響くようになるケースも少なくありません。

2回以上見に行く

現代アート美術は、2回以上見ることをお勧めします。1回見た後、時間を置いて再度見たらまったく異なる印象を抱くケースがよくあるからです。最初は全く何も感じられなかった作品でも、2回目に見ると直感的に何かを感じられる可能性があります。気になったらさらに深く作品を観察し、背景等を調べることでより深い理解につながります。

このようにして、現代アート作品に心をつかまれ虜になる方が多数います。

現代アートの種類

現代アートにはいろいろな種類のものがあります。以下のように多数のジャンルがあるので、どのような方でもきっと気に入ったものを見つけられるでしょう。

写真

カメラで前衛的な写真を撮影した現代アートです。

版画

版画によって表現される現代アートです。シルクスクリーンを使って大量印刷するアンディ・ウォーホルのポップ・アート作品なども版画の1種です。

ポップ・アート、コラージュ

ポップ・アートとは大量生産・大量消費社会をテーマにした現代アートです。雑誌や広告、報道写真など「流行」をとらえたモチーフが素材とされるケースが多数です。たとえば雑誌の切り抜きを集めたコラージュ作品など。アメリカのアンディ・ウォーホルが有名です。

絵画

絵画の現代アートは非常に数が多く、ジャンルや描き方もさまざまです。次に紹介する抽象表現主義なども広い意味で絵画の1種です。

抽象表現主義

大げさなパフォーマンスで抽象的な描き方をする現代アートです。筆等を一切使わず絵の具を垂らしたり飛ばしたりして描き出す「アクションペインティング」、色による巨大な絵画で観る人を包み込む「カラーフィールド・ペインティング」などが知られています。

オブジェ、彫刻

物によってかたどられたオブジェや石・木などの彫刻作品です。日用品を置いただけで「アート」とするオブジェなどもあります。

建築

建物による表現が行われるケースもあります。

デザイン

現代アートが先進的なデザインに使われることもあります。

ビデオアート、メディアアート

ビデオやメディアを媒体とするアート作品です。

音楽

音楽の分野にも現代アートが進出しています。「無音(沈黙)」までをも音楽の一部と捉えて表現した作品などがあります。

上記の他にも多種多様な現代アートのジャンルがあります。現代アート作家には1つのジャンルだけではなく複数ジャンルにわたって活躍する方がたくさんいます。

知っておきたい代表的な現在アート作家10人

有名な現代アート作家にはどのような人がいるのか、代表的なアーティストを10人ご紹介します。

マルセル・デュシャン

マルセル・デュシャンは「現代アートの父」と呼ばれる人物です。美術史においては彼が1917年に発表した「泉」から現代アートの歴史が始まった、とされます。

油絵による表現を打ち切り、既製の物を無加工で展示するスタイルを確立しました。

ジョン・ケージ

現代アートの音楽家です。「沈黙」や「聴衆の発する音」までも音楽と捉えました。「無音」を音楽として表現した「4分33秒」という作品が有名です。

アンディ・ウォーホル

代表的なポップ・アート作家です。大量消費社会において「絵画も消費されるべき」という考えのもと、マリリン・モンローやキャンベル・スープ缶などの流行の図柄をシルクスクリーン(版画)によって大量印刷しました。

ジャン・デュビュッフェ

40歳を過ぎてから本格的に画家となったフランス人現代アート作家で、抽象絵画の1種である「アンフォルメル」の先駆者です。子どもや精神障害者などによる絵画を「アール・ブリュット(生の絵画)」と名付け賞賛しました。これがもととなり、後に「アウトサイダー・アート」というジャンルが確立されました。

ナム・ジュン・パイク

ビデオ・アートの開拓者です。テレビが急激に大衆に普及していく中で、テレビによる動画メディアを芸術表現に取り入れました。 彼の「新しいメディアの開拓」の思想は、後に「メディア・アート」へと発展を遂げていきます。

草間彌生

特徴的な「水玉模様」で知られる日本人の現代アート作家です。幼い頃から統合失調症による幻覚や幻聴に悩まされており、それらを描くようになったのが作品作りの始まりといわれています。

絵画だけではなく彫刻や立体作品、空間全体をアートにするインスタレーションも得意としており、1952年に渡米するとニューヨークを拠点にパフォーマンス性の高いアート活動を行って「前衛の女王」と評されました。

フェミニズム、シュールレアリズム、抽象表現主義などさまざまなアート様式を取り込んで独自の世界を創り出します。ファッションデザインや小説の執筆なども行い、幅広い分野で活躍しているアーティストです。

イサム・ノグチ

日系アメリカ人のイサム・ノグチは絵画・彫刻・インテリアデザイン、造園、作庭、舞台芸術など他ジャンルで表現活動を行ったマルチ現代アーティストです。ユネスコ本部(パリ)にある日本庭園、大阪万博の噴水などのデザインで知られています。

ジャクソン・ポロック

キャンパスを床に大きく広げ、筆を使わずにコテで塗料を垂らしたり線を描いたりする「アクション・ペインティング」の開拓者です。抽象表現主義の代表的な作家です。

イブ・クライン

単色によって表現する「モノクローム絵画」の代表者です。「青」を宇宙の神秘に通じる色として重用し、自ら「インターナショナル・クライン・ブルー」という深い青色の顔料を開発して特許も取得しました。

ゲルハルト・リヒター

現在、「世界で最も注目を集める現代アート作家」といっても過言ではありません。

新聞や雑誌の写真をキャンバスに大きく描き写した上で全体の印象をぼかした「フォト・ペインティング」、写真の上から絵を描く「オーバー・ペインテッド・フォト」など、「絵画と写真の境界線をなくす作風」が有名です。

たくさんの色をモザイクのように並べた「カラー・チャート」や灰色の絵の具でキャンバス全体を塗り込んだ「グレイ・ペインティング」なども発表しており、多彩な作品を精力的に生み出しています。

ロバート・スミッソン

屋外で自然物を用いたアート作品である「ランド・アート」の先駆者です。アメリカの商業主義的なアート傾向に反発し、展示会場から「外へ」「自然へ」と出ていきました。彼の活動がもとで、その土地ごとの歴史、文化、政治的な要素も取り入れた「サイト・スペシフィック(土地固有)」の作品も多く生まれるようになりました。

自然に存在する土砂や岩石を鏡やガラスと共に展示するインスタレーション作品なども創作しています。

一度は行きたい現代アート美術館4選(日本編)

森美術館(東京都 六本木)

六本木ヒルズにある美術館で、現代アート作品を主な展示物としています。駅からのアクセスもよく、多数の観光客が訪れる人気スポットです。現代アートをより楽しめるようにシンポジウムやレクチャー、アーティストトークなどのパブリックイベントも行われているので、現代アート初心者の方でも楽しみやすいでしょう。

京都国立近代美術館(京都市左京区)

京都市内にある美術館で、関西、西日本の美術に比重を置いて工芸作品等を重点的に展示しています。京都観光に行く際、セットで立ち寄るのがお勧めです。

軽井沢現代美術館(長野県)

軽井沢の自然光が降り注ぐ現代アート美術館で、海外で活躍する日本人の現代アーティスト作品が多く展示されています。春夏秋冬の自然の変化も感じられます。

国立国際美術館(大阪市北区)

大阪中之島に位置し、国内外の多数の現代アート作品が展示されています。世界でも珍しいとされる完全地下型の建造物で、外観のデザインも斬新です。

一度は行きたい現代アート美術館4選(海外編)

グッゲンハイム美術館(アメリカ・ニューヨーク)

ニューヨークのアッパーイーストサイドに位置し、外観からしてユニークな美術館です。現代アート作品も数多く取りそろえられており、中の螺旋階段も個性的な造りとなっていて、現代アート好きなら一度は訪れたい場所です。

ポンピドゥ国立美術文化センター(フランス パリ)

外観やオブジェも極めて個性的な現代アート美術館です。影のアートや椅子のアート、前に立つと自分がアート作品となって映り込むものなど、多種多様な現代アート作品が収められています。現代アート初心者の方でも何かお気に入りの作品を見つけられるでしょう。もちろんベテランの方も楽しめます。

ホワイトチャペル・ギャラリー(イギリス・ロンドン)

設立後100年以上もの間、現代アートシーンを牽引してきた名美術館です。全体的に小ぢんまりしていますが展示スペースは複数階に及び、映像作品の展示などもあって内容は充実しています。

ハンブルガーバンホフ美術館(ドイツ・ベルリン)

鉄道駅舎を改装して作られた美術館です。世界屈指の現代アートコレクション数を誇り、企画展と常設展があって展示内容が非常に充実しています。ポップアート、ミニマリズム、ビデオインスタレーション、絵画や彫刻など。アンディ・ウォーホルなどの有名アーティストの作品もあり、現代アート好きなら一度は訪れたい場所です。

現代アートはそれぞれ強い個性を持つので、あなたにもきっと気に入るものが見つかるでしょう。まずは美術館を訪れてお好きな作品に会いに行ってください。